号砲は鳴った

活動期に入った地震列島 (岩波科学ライブラリー (33))

活動期に入った地震列島 (岩波科学ライブラリー (33))

 阪神淡路大震災直後に行われた著者の講演を基に作られた初版本。2007年に第2版が出ている。
 小規模な内陸断層型地震(浅いので被害は甚大になる場合が多いが)が立て続けに起きた後、クライマックスに海溝型の巨大地震が起こるサイクルを繰り返す日本列島。30〜50年間ぐらいの「平穏な時期」があって再び「活動期」に入るという。
 前の「活動期」は、20世紀の前半。クライマックスが1944年の東南海地震、1946年の南海地震だった。そして49年後に阪神淡路大震災。これを号砲として今度の東日本大震災。この地震が「クライマックス」なのか、それとももう1,2本・・・?
 恐れを成すよりも、「自然というのはそういうものだ」という事を頭に入れた上で警戒を怠らないようにするしかなさそうである。今は「活動期」にある(少なくとも静穏期ではない)のだという認識はしっかりと持っておきたい。