「まちおこしバブル」にかける冷や水
社会をつくる自由―反コミュニティのデモクラシー (ちくま新書)
- 作者: 竹井隆人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/03
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
「地域再生の罠」でも触れられていたが、住民は正直である。「まちおこし」のイベント等には顔を出すが、決してその商店街にたくさんのお金を落とすわけではない。「コンパクト・シティ」を提唱し、都心部への回帰を促す学者や政治家に限って、自分の自宅は郊外だったりする。人と人とがふれあい、地域を盛り立てる「ふり」を続けつつ、一歩中に入れば噂好き、嫉妬と村八分の「ムラ社会」。嫌気がさした若い衆が都会に逃げ出すのを止めることはできない。
では、どうすればいいのかという方法論に関して、今一つよくわからないところもあったが、とにかく、新聞やその手の本があおるような「逆境に負けずがんばってる地方」「地方が日本を変える」的なステレオタイプをうのみにするのではなく、「うちらのことはうちらで考えていこうや。どうせ“全員が納得”なんてありえないんやし」というスタンスは大事にしていった方がよいと思った。