「昭和史」は、自分で学ぼう。

45分でわかる!14歳からの世界恐慌入門。 1929年を知れば、2009年が見えてくる! (MAGAZINE HOUSE 45 MINUTES SERIES)

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父が子に教える昭和史 (文春新書)

父が子に教える昭和史 (文春新書)

 今日は成人の日。当たり前のことながら、「新成人」は既に平成生まれ。今、「明治」や「大正」をノスタルジックに語られるように、「昭和レトロ」はもはやテーマパークと博物館と、さびれた田舎の商店街の中にしかない。
 一方で、「日本史」も「世界史」も、「第二次大戦後」は、第四コーナー突っ走りで「やったことにされる」のは今も昔も同じ。「昭和」以後は、自分で工夫して学ぶものなのである。自分の歴史オンチを学校教育のせいだけにしてはいけない。管総理(山口県出身)が、高杉晋作に憧れて「奇兵隊内閣」とぶち上げたのを、「理系出身でろくに歴史も勉強してからこういう例えをする」と、大新聞のコラムニストがこき下ろしていたが、大きなお世話である(確かに、日本の内閣が「奇兵隊」ならば、思い切り“攘夷”が断行されてしまうのだが、それはそれでよいとしよう)。
 時は平成不況の真っただ中。これを「不況」と言うべきか、もやあ「恐慌」と言うべきか、概念はともあれ、今から100年前(西暦の頭を20から19に換える)の出来事を追いかけていくと、これからどんなことがおこりうるかが想像できる。できれば、自分と年齢が100歳違いの有名人を探してきて、彼や彼女の目線で世の中を追ってみてもいいかもしれない。
 前者はおなじみ、池上彰の45分で分かるシリーズ。政権(当時は共和党)が、恐慌どころか「不景気」であることすら認めなかったことが傷口を大きくした。「景気や緩やかな踊り場」とか言ってお茶を濁している今の政権も大丈夫か?後者は豪華執筆陣による短い読み物。文芸春秋なので身構える人もいるかもしれないが、決して「右寄り一辺倒」「あのころはよかった」式の論調ではない。いわゆる著名な「論客」だけでなく、歴史家やノンフィクション作家らも書いているので、「面白いな」と思ったらその人の本を探して読んでみてもいいと思う。