学校で「課長」にあたるのは誰だろう?

そうか、君は課長になったのか。

そうか、君は課長になったのか。

 この人の活躍や、「仕事術」については改めて説明するまでもないかもしれない。「ワークライフバランス」を地で行って社長にまで上り詰めた人。かつての部下(初めて課長になった時の新入社員)が課長になり、手紙をくれたのに対して返事をするという架空の設定で、「課長としての心得」「上司としての気構え」についてノウハウを提供する。

 学校にとっての「課長」とは誰か。立場としては学年主任あたりだだろう。しかし、権限もなく、著者の嫌う「プレイングマネージャー」に徹しなければならない学校の「課長」はかなりハードな仕事である。「残業上等!」な文化も相変わらず(そもそも「残業」という概念がない)。企業がうらやましいような、厳しいような、複雑な読後感だった。

 「部下」を「クラス」に置き換えたり、「学年」に置き換えると、
 学校の先生も楽しく読めると思う。考えてみると、大学出たての若者が、いきなり「マネージャー」(担任や、顧問)をしなければならない学校という組織は結構酷な所なのかもしれない。