ガツガツ3割を目指すか、7割で妥協するか

7割は課長にさえなれません (PHP新書)

7割は課長にさえなれません (PHP新書)

 
「キャリア教育」云々言うけれど、結局「何になりたいか」(どんな仕事に就きたいか)を考えさせる所で思考が停まっている高校・大学の進路指導。
 入った後、どうやって生き残っていくかに関してはあまり関心が払われない。そもそも年功序列の典型である教員(特に公務員)がそれを考える事に無理があるのかもしれないが、「実感がないから語らない」のではなく、「実感が持てないからこそ勉強して分かりやすく伝える」べきだと思う。その上でこの本の著者の一連の著作は読む価値がある。
 この手の本にありがちな統計資料と小難しい解説は最小限に、ドラマ仕立てのケーススタディーをまず出した上で、短く要点を突いた解説がとてもわかりやすい。新聞の会社別色分け(批判)と、巻末の「明るい未来予想図」は「そうかなー」と思う面もあるが、「フリーターだけにはなりなさんな」的な指導に飽き飽きした生徒・教員には是非お勧めしたい。