「歴史ビジネス小説」に学ぶ

 津本陽(建設会社)、童門冬二東京都庁)・・・・共にサラリーマン生活を経て人気作家になった二人が幕末・明治の「ビジネスマン」を独自の視点で語り下ろした異色の時代小説。「グローバリゼーション」「地方分権」が叫ばれる今、卓越したアイデアと行動力、上の力に逆らわず、それでいて曲げないところは絶対曲げないしなやかさ、人が2手先を考えるところを10手ぐらい先まで読んだ洞察力、そしてどんな人とも分け隔てなく会い、貪欲に情報を集めて人を魅了した人間性・・・20代後半から30代にかけて頭角を現した2人(龍馬は死んでしまったが)に学ぶところは大きい。
 若き日の渋沢栄一が、死に体の「静岡県」で辣腕をふるった序章には、「へぇー」と感嘆する地元の歴史を知ることが出来た。