落語+αが面白い

 
 落語をこよなく愛する数学者の著者が、「古典」をさらっと紹介しつつ、それに絡めた数学のうんちくを語る。横書きで「落語」と「数式」を読む事に最初は戸惑うが、取り上げる落語の面白さと短い解説が良い取り合わせ。
 バーなどにある「カウンター」もともとは、西洋の大きなそろばん(数を数える=カウント)だったなど、「へぇー」と思える話がちらほら。「ちょっとこじつけじゃない?」と思える解説もあるが、落語と数学の両方から「教訓」を得られる仕組み。落語好きにも、数学好きにもちょっと異論が出そうな試みだが、幻冬舎新書らしくて楽しい企画だと思う。