読書進化論 勝間和代

「本を読め」と、教師(含む私)はよく言います。
では、何のために本を読むのか、どうしてネットの記事ではなく本なのか、そのあたりを分かりやすく説明しています。
 本は、(1)第三者による編集が入っている(2)市場原理で淘汰された「定食」のようなものであり、ネット上の情報は玉石混淆の素材があるが、より分けが大変という指摘、なるほどと思います。ただ単に「ネットはダメ、本はよい」と言われるよりもこの方がしっくり来ます。
「自分で本を出してみよう。本を出すことは自分の株を上場することである。」「作る努力の何倍も売る努力をする」「自分ブランド化」等々、今をときめく筆者も色々苦労してるんだなあと思いました。
 所々に出てくる書店員さんの話や、mixiの「カツマー」(勝間氏のファン)の話は、ない方がよりすっきりすると思います。役者がひいきの客を舞台の上に上げて素人芝居をさせても観客はあんまり面白くないのと同じです。このあたりは、この本と連動しているWeb記事やブログでの紹介で十分のような気がします。ともあれ、これも筆者がいうところの「壮大な社会実験」なのかもしれませんが。

 面白くて、役には立つけど、好き嫌いが分かれそうな本です。