LRT(次世代型路面電車)の超入門書

LRTが京都を救う―都大路まちづくり大作戦 (「京都の交通今日と明日」)

LRTが京都を救う―都大路まちづくり大作戦 (「京都の交通今日と明日」)

 LRTというのは、次世代型の路面電車のこと。何が今までと違うのか、京都のバスや自家用車依存の今の交通に変わってLRTを走らせようという、立命館大学のグループが出したLRT関係の超入門書。
 本書にも出てくるフランスのストラスブールには自分も行った事がありますが(本当にスタイリッシュでかっこいいLRTが走ってます.
ドアが大きく、車高も低いので、自転車までそのまま積めちゃう)、1990年代になって、「作るぞ」と訴えた市長が当選して以降の産物だったとは、これを読むまで知りませんでした。LRT登場まで、通勤の自家用車依存率が73%だったと言いますから、日本の地方都市とさほど変わりません。「トランジットモール」(LRTと歩行者だけが通れる中心街)、パークアンドライド(駐車代+電車代
で¥200とはお値打ち!)といったLRT関連の基本用語がよく分かります。「京都の街中で自動車を禁止したら困るやん」「タクシー業界は困るで」というような、Q&A方式の解説も分かりやすい。
 考えてみれば、ヨーロッパでは、富士市くらいのサイズ(人口24万)の都市なら必ず路面電車は走っています。LRT型に転換されてないところもありますが、「岳鉄」「身延線」という二大ローカルインフラを持つ富士市、検討に値するのでは?

富士市図書館 686.916