鉄道モノ3種
図書館になかったので、Amazonから古本屋さん経由で3冊を買いました。古本なのに2日で来てすご(!)と思いつつ、今日本屋さんに平積みされているのを見て、なんか得した気分です。
「ダメダメから復活(!)」の鉄道もの3種です。
- 作者: 向後功作
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/01/31
- メディア: 単行本
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銀行からも見放されてとうとう「電車の定期点検に向けた修理費が出せない!」「腐った枕木を交換できない!」までに。客が急に増えるでもなく、唯一残された道は、副業で作っていた“濡れせんべい”(せんべいを地元特産のしょうゆに浸したもの)を売る事だけ。
Webサイトで「せんべいを買ってください!」と文章を掲げたらネットで広まり次の日から注文の嵐が・・・・。
2ちゃんねる発、鉄道救済物語。美談として終わらせるのではなく、地元で生まれ育った電鉄の現役社員が鉄道の歴史、電鉄を核としたまちづくりのビジョンについて落ち着いたタッチで書いています。
面白いのは、筆者自身がブラスバンドを趣味でされており、その縁か、車内でライブコンサートを行う「C列車で行こう」(銚子なのでC列車)というイベントを企画して大成功。面白いなあと思って、我が富士市の岳鉄(岳南鉄道)を見てみたら、ちゃんとやってますよ。ジャズトレイン。「A列車」「B列車」を用意して、ビールまで出るとか。沿線で盛り上げて行きたいものです。
詳細はこちら。
http://rail.hobidas.com/news/info/article/87445.html
[rakuten:book:12736501:detail]
こちらは本当に一度廃線になってしまった鉄道の復活ストーリー。
福井の京福電鉄が相次ぐ事故で業務改善命令を受け、改善のための設備投資ができないために廃線。地元にも見放され、線路跡は空き地となるも周辺国道は大渋滞。地元から復活の声があがり、第三セクターとして復活した際に、世にも珍しい「アテンダント」を乗務させることに。「税金使ってこのねーちゃんらは何のやくにたっとんのや」という陰口を叩かれ、観光アナウンスがうるさいと怒られ、車内でケータイをいじる高校生を注意できずに白い目で見られ、踏んだり蹴ったりの中、それぞれが「仕事」を見つけ、作り、地元の名物になっていくまでをチーフアテンダント兼広報担当が語る。
乗客から出される難問珍問、失敗談をアテンダント達が連絡ノートに書き出し、情報を共有する「アナログさ」が、携帯万能の今の世の中でかえって新鮮に見えます。沿線に生えている草花の名前から、鉄道オタクの車両に関するうんちくまで、「わからないとは言わない」というプライドが見ていて楽しい。
- 作者: 徳渕真利子
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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車内販売の面白さ、売り方の知恵、のぞみとこだまの売り方の違い等々、現場の裏話が満載。「なぜ自分が売り上げNo.1なのか、よくわからない」と謙遜しつつ、「フリーターでも、仕事を好きになって頑張れば、きっといいことがあるよ」と同世代へのエールを送る。
23歳の主人公に要所要所でエールを送る先輩アテンダントがいい味を出している。「打倒・飛行機」に燃える新幹線の挑戦が垣間見れて楽しい。