「リクルートの江副さん」はプロである。
不動産は値下がりする!―「見極める目」が求められる時代 (中公新書ラクレ)
- 作者: 江副浩正
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 新書
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「都心のビルは建設ラッシュで“床”が次々に生産されている。臨海部では埋め立てが進み、土地が“生産されている”。郊外には打ち捨てられた土地が増え、故に、いずれ土地の値段は下がる(バブル崩壊の再来!)」というのが、ごくごく大まかな趣旨です。有明・晴海を抱える江東区は、昭和22年に、22平方キロメートルだったものが、平成19年には39.8平方キロメートルと、1.8倍に増えている等、デベロッパーらしく、具体的な数字がところどころに登場し、経済新聞の解説記事を読んでいるような感じになりますが、「都市地理」の教材ネタとしては、大変使い出があります。建築基準法の話や用途規制など、「建築学科に行きたいという理系の生徒」にもぜひ読ませたい一冊です。
それにしても、三菱(丸の内)や、三井(日本橋)が、明治の頃から持っている土地は、簿価では私のお財布の中にある金額で記載されているというのはちょっと驚きでした。どんなに暴落しようとも、もともとの簿価がただみたいなものですから、売らない限り損はない。しかも、今の東京駅あたりが軍用地で、買い手がつかないのを三菱がしぶしぶ買った等、「へー」と言いたくなるお話も満載です。
Google Earth片手に、目当てのビルを探しつつ読むと、結構楽しいですよ。(↓こんな感じで)
ビルのうんちくを書き込めば、なおよろしいかもしれません。暇なときに教材化してみようと思える一冊でした。