重厚かつ人間味ある経済小説

男子の本懐 (新潮文庫)

男子の本懐 (新潮文庫)

 学生の頃、読もうとして挫折。
 日本史で「昭和初期の金解禁」がさっぱりわからずアレルギーがあったが、経済の事を勉強したり教えざるを得なくなったおかげで面白く読めるようになったのと、それなりに経験を積んだからか。
 浜口雄幸もよいが、井上準之助に惹かれた。特にニューヨークに「飛ばされて」、不遇の中でだんだん壊れていく様は泣ける。それでもめげずに勉強を続けた不屈の精神は強い。
 久々に何度も読んでみようと思った小説。「全集」第一巻の冒頭に挙げられるだけあるのでは?