お札とお札になった人の歴史

この人もジャンルが縦横無尽の歴史評論家である。

1章が「新札」(現在の紙幣)に出ている偉人の伝記。
野口英世の生涯が、結構辛辣で面白い。
2章が明治以降のお金の歴史。「両」から「円」に代わった経緯から、金本位制軍票に新円、バブルまで。
3章が再びお札の肖像になった人の伝記。

 明治以後になると登場する「経済史」の記述がちんぷんかんぷんという人は、この本の2章をじっくり読みたい。図説が多いものの、やっぱり難解だが、「金解禁」をめぐるやりとりは、今の金融危機をなぞる上で知っておきたい知識だと思う・。