わかりやすさは日本一

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

いろんな書評で絶賛されているが、やはりこの人はすごい人である。
資本論」の方は、とにかく「今だからこそこの本の内容を読み返す価値がある」という使命感に充ち満ちている。編集部に呼んだ高校生達を相手に実際に講義したものをまとめたそうだが、準備は相当な者だったと思う。
 「分かりやすく伝える技術」は、「池上彰がいかにして池上彰になったか」がよく分かる一冊。
 今、テレビ局の記者(取材して、アナウンサーが読む原稿を書く人)やディレクター(報道の中身や取る映像を決めたり、カメラマンやレポーターに指示を出す人)が直接カメラの前に立って説明するのは当たり前のようになっているが、池上氏はその先駆けとなった人である。「前例踏襲」「先輩から後輩へ」の文化が充ち満ちていたNHKで、誰もやったことがない「記者がカメラの前でしゃべる」トレーニングを積み、いろんな人に怒られながら会得した「分かりやすく伝える技術」は一読の価値あり。