「はやぶさ」とは何か?

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)

 旧科学技術庁の液体燃料ロケット集団「NASDA」と、「ペンシルロケット」以来の伝統を誇る固体燃料ロケット集団「東大宇宙研」(初代のリーダーが“イトカワ”博士)が合併してできたのが今のJAXA。地図帳を見ると、鹿児島県の東の付け根にロケット発射台があるが、「はやぶさ」を打ち上げたのが「東大宇宙研」。「はやぶさ」プロジェクトだけでなく、「低予算」「アカデミック
。」の伝統を守って宇宙を目指し続けた「東大宇宙研」の歴史全体が描かれている。
 単なる「感動ストーリー」に終始せず、「メンツ」にこだわり研究の足を引っ張る人たち、「勝てば官軍」ばりの周囲など、「悩み」と「課題」を淡々と浮き彫りにしているのが興味を引く。
 「はやぶさ」は、OSを積んだ小型コンピューター。トラブルがあるたびにソフトを作り、電波で8bps(メガではない)で通信。本当にダメなときは「スイッチONOFF」でデジタル信号(まるでモールス)で動かしたというからその根性には脱帽。