八重の桜 一

八重の桜 一

  2013年大河ドラマの脚本を小説化。原作はもっと短いと思われるが、当時の会津藩上層部、京都の政略等の場面をふんだんに取り入れて分かりやすくまとめている。
 会津藩の砲術指南役の家に生まれた主人公。「女に鉄砲なんぞ」という時代の中で密かに火薬の調合などをまとめた本を写し、見よう見まねで知識を得る。年の離れた兄は東奔西走、養子として藩を担うことになった藩主、松平容保は幼い頃の主人公と一瞬交差しつつ、京都の政局の大激流に飲み込まれ・・・NHK出版による、いわば「大河予習本」であるが、読み物としても十分楽しめる。3ヶ月おきに全4巻が出されるらしいので、映像を見る習慣がない人にも勧めたい。